最近母が買ってきてくれるパン屋のパン。
トースターで焼くと焼きたての香りがする。
お店の老夫婦やパンを焼く息子さん(と母は思っている)は
いつもにこにこしているのだそう。
はっとするくらい美味しいパン
最近のハード系でもなく
日本らしい もち、ふわでもない
技でも流行でもないもの
きっと「気」みたいなものじゃないかな、と食べながらよく考えている。
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アキ・カウリスマキの「希望のかなた」を観た。
カウリスマキを教えてもらってからすっかり虜になり
近くのビデオ屋で置いてあるカウリスマキ作品を全部観て(といっても少ししかない)
小津作品にも少しずつ手を出している
過去をこれほど大切に、しかも懐かしいものというだけでなく扱える人はなかなかいないんじゃないかな。
色合いが本当に好きなんだけど
どう好きなのかと書くのがすごく難しい。
会社からの帰り道にある団地がカウリスマキ作品ぽいんだよな、とよく思う。
原題の直訳は 向こう らしい。
希望の向こう、かなた
カウリスマキは過去を好むと言いながらも
ずっと先の未来をみているのかも
そんな人間的なところに惹かれるのかもしれない
難民問題をテーマにした映画の二作目
前作より現実感が増している感じなんだろうか
前作を見た後よりずっとモヤモヤしたものが残って
次の日の朝までずっとそんなだった。
作品はとてもよかったのでそのモヤモヤではなく
今、空のかなた、どこかでまた
カーリドのように家を失っている人がいるという現実感がそう思わせたのかもしれない。
普段、自分は何がしたいんだろう、と
自分中心に世界をみているんだな、と客観的に知らされる
幸せなこと。でも、足元はずっと地続き。
その日の少し前からうちの犬(15歳)の体調がすこし悪くなったりして
自分ではどうにも出来ないようなことに直面した時の
自分の弱さを久しぶりに思い出した。
そんなとき、やっぱり届く手紙。
北国の親友から、冬が送られてきた。
いろんなものに助けられて生きている。
犬も少し落ち着いたみたいで心からほっとする。
人生初の一目惚れの相手。
最近足が滑るのか、踏ん張りが利かないのか
足をぺたんと開いて座っていて
体にはよくないのかもしれないけどかわいい。